特別展 北斎だるせん!
2017/10/18
特別展


会期:平成29年(2017)11月18日(土)〜12月17日(日)

会場:名古屋市博物館 
   〒467-0806 名古屋市瑞穂区瑞穂通1-27-1
   名古屋駅から17分。地下鉄桜通線「桜山」下車、4番出口から徒歩5分。

開館時間:9:30~17:00(入場は16:30まで)

入場料:一般1,300(1,100)円/高大生900(700)円/中学生以下 無料
    ※( )内は前売および20名以上の団体料金。

休館日 毎週月曜日・第4火曜日[11月20日(月)、27日(月)、28日(火)、12月4日(月)、11日(月)]

だるま先生北斎、名古屋をゆく。

 「冨嶽三十六景」でおなじみの江戸の浮世絵師、葛飾北斎(かつしかほくさい)。彼が一時期名古屋に住んでいたのをご存じですか?
 今からちょうど200年前、北斎は縦18mの大だるまを即興で描くイベントを名古屋で開催しました。そして「だるせん(だるま先生の略)」というあだ名が生まれるほど話題をさらったのです。意外にも北斎と名古屋の関わりは深く、『北斎漫画(ほくさいまんが)』も名古屋で誕生した本です。本展覧会では大だるまイベントを巡る熱狂を中心に、北斎と名古屋の関わりを紹介します。

主な展示品

石櫃が四方に砕け散り、中から僧が登場する図。

曲亭馬琴作、葛飾北斎画『鎮西八郎為朝外伝 椿説弓張月』浦上満氏蔵

文机の奥に座る子どもの背中越しに習字を教える女性を描いた図。

葛飾北斎「諸芸三十六のつゝき 書」名古屋市博物館蔵

第2章)北斎、漫画を描く

文化9年(1812)の秋、北斎は関西旅行の途次、名古屋の門人牧墨僊(まきぼくせん)宅に半年ほど滞在しました。そのおり彼が描いたという三百点余りの絵を、永楽屋東四郎(えいらくやとうしろう)が文化11年(1814)に出版したのが『北斎漫画』です。『北斎漫画』の楽しさとともに、名古屋との関わりについても紹介します。

念仏を唱える僧など様々な人たちが描かれた図。

葛飾北斎『北斎漫画』 浦上満氏蔵

蛙と蓮の紋様がついたガラス花瓶の写真。

エミール・ガレ 蛙・蓮文花器 個人蔵

蛙や蝶、蜂、蛇などが描かれた図。

葛飾北斎『北斎漫画』初編 個人蔵

第3章)北斎、大だるまを描く

 文化14年(1817)にふたたび来名した北斎は、同年10月5日、西掛所(にしかけしょ)(現本願寺名古屋別院〔西別院〕)にて120畳敷(縦約18m、横約11m)の紙に大だるまの半身像を描くイベントを行いました。幸いにも、そのときの詳細は、尾張藩士の高力猿猴庵(こうりきえんこうあん)による記録から判明します。会場では、猿猴庵の記録を基として、大だるま(部分)と大筆を原寸で復元します。その大きさを体感することで、大筆を揮う北斎(このとき数えで58歳!)の気力と技量を想像してみてください。

墨で描かれた大きなだるまの半身図。

葛飾北斎「北斎大画即書引札」名古屋市博物館蔵

シュロ箒を持って巨大なだるまを描く人たちの図。

高力猿猴庵『北斎大画即書細図』名古屋市博物館蔵

第4章)名古屋の仲間たち

『北斎漫画』を出版した永楽屋東四郎、イベントを記録した高力猿猴庵、そして牧墨僊をはじめとする名古屋の北斎門人らの活動をみていきます。彼らの姿を通して、江戸と地方との交流の深さを知ることができるのではないでしょうか。

北斎が書いた手紙の写真。

葛飾北斎「永楽屋東四郎宛北斎書状」個人蔵

船の上で音楽を演奏する人々を描いた図。

「伝西浜御殿杉戸絵 唐人奏楽図」名古屋市博物館蔵

第5章)After 名古屋

江戸へ戻った北斎の活躍の場は、大判錦絵作品へとシフトし、そしてついに傑作「冨嶽三十六景」を生み出します。展覧会の最後に、「冨嶽三十六景」シリーズ中に描かれた名古屋の図「冨嶽三十六景 尾州不二見原」に焦点をあてながら、北斎作品の魅力をひもときます。

大きな波の向こうに富士山が見える様子を描いた浮世絵。

葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」(株)ティ・エス・ケー蔵

桶職人がまだ底がついていない大きな桶の内側を削っていて、その桶の輪の中に遠く富士山が見える様子を描いた浮世絵。

葛飾北斎「冨嶽三十六景 尾州不二見原」個人蔵

主催:名古屋市博物館・中京テレビ放送
TEL.052-853-2655 FAX.052-853-3636 http://www.museum.city.nagoya.jp/