江戸の戯画-鳥羽絵から北斎・国芳・暁斎まで
2018/01/03

江戸の戯画-鳥羽絵から北斎・国芳・暁斎まで


`・会期

平成30年4月17日(火)~6月10日(日)
【前期】4月17日(火)~5月13日(日)
【後期】5月15日(火)~6月10日(日)
※会期中展示替えあり。

・時間

午前9時30分〜午後5時(入館は午後4時30分まで)

・休館日

月曜日(ただし、4月30日(月)は開館)。5月1日(火)も開館。 ※災害などにより臨時で休館となる場合あり。

・料金

一般 1,400円(1,200円)、高大生1,000円(800円)


太平の世が続いた江戸時代には、多くの戯画(ぎが)が描かれました。一口に戯画といっても多種多様なものがありますが、本展では「鳥羽絵」をキーワードに江戸時代の戯画をご紹介します。

鳥羽絵は、広く戯画や漫画を指す言葉として使われることもありますが、より限られた意味では、18世紀に大坂を中心に流行した軽妙な筆致の戯画を指します。そこに描かれる人物は、目が小さく、鼻が低く、口が大きく、極端に手足が細長いという特徴を持ち、その名は国宝「鳥獣人物戯画」の筆者と伝えられてきた鳥羽僧正覚猷(とばそうじょうかくゆう)に由来するものとされます。

鳥羽絵は、18世紀の大坂で鳥羽絵本として出版され、その人気は明治にまで及びました。また、上方に留まらず、江戸の浮世絵などにも影響を与えています。鳥羽絵を洗練させたとされる大坂の「耳鳥斎(にちょうさい)」はもちろん、鳥羽絵本の影響を受けたと考えられる江戸の「北斎(ほくさい)」や「国芳(くによし)」、そしてその流れをくむ「暁斎(きょうさい)」など、時代や地域により変化しながらも、笑いの感覚は脈々と受け継がれてきました。

本展では、そのような流れを追いつつ江戸時代の戯画のエッセンスをご覧いただきます。また、歌川国芳の「金魚づくしシリーズ」全9点がそろうのも見どころの一つです(前期のみ)。 笑いを文化として発展させてきた大阪の地で、多彩な笑いの世界をご紹介します。(出品予定作品:約280点)

主な展示

軽筆鳥羽車(けいひつとばぐるま)

千葉市美術館蔵

大坂を中心に人気を博した鳥羽絵本のうちのひとつ。様々なことわざを題材としており、本図には魚の頭をありがたそうに拝む人々が描かれる。大きな口、細長い手足などに鳥羽絵の特徴がよくあらわれている。


『北斎漫画』九編 

葛飾北斎

浦上満(うらがみみつる)氏蔵

北斎が描いた絵手本として有名な『北斎漫画』にも戯画的な要素が多く含まれている。太った男が出陣の準備をしている様子を描いた本図からは、ほのぼのとした面白さが伝わってくる。北斎のユーモアの感覚がよくあらわれた図である。

きん魚づくし ぼんぼん

歌川国芳

個人蔵

擬人化された金魚の仕草が愛らしい本シリーズは、国芳の戯画の中でも人気の高い作品。国芳のあたたかな眼差しが随所に感じられる。現在9図が知られており、本展覧会では、前期(4/17~5/13)にそれら全てが展示される予定。

風流蛙大合戦之図(ふうりゅうかわずだいがっせんのず)

河鍋暁斎

河鍋暁斎記念美術館蔵

幕末から明治にかけて活躍した暁斎も戯画を多く手掛けた絵師の一人。徳川幕府による長州征伐の見立てとされる本図だが、擬人化された蛙たちの姿はなんともユーモラスである。「鳥獣人物戯画」や国芳などからの影響も感じられる。


大阪市立美術館

〒543-0063  大阪府大阪市天王寺区茶臼山町1-82 (天王寺公園内)

公共交通機関をご利用の場合

最寄駅

大阪市営地下鉄

御堂筋線

天王寺駅

谷町線

天王寺駅【15,16号出口】

JR

天王寺駅【中央改札】

近鉄

南大阪線

大阪阿部野橋駅【西改札口】

阪堺電気軌道

上町線

天王寺駅前駅

大阪市バス

あべの橋停留所

最寄り駅を下車し、北西へ約400m(天王寺公園内)

*美術館は天王寺公園内にあります。
平成27年10月1日(木)に「てんしば」がオープン。
美術館へは「てんしば」を通って遊歩道を進み、旧黒田藩屋敷長屋門(黒田門)からお入りください。


お車をご利用の場合

高速道路をご利用の場合

1. 阪神高速松原線(南行き)の天王寺出口で降り、
天王寺公園南沿い道路より「公園地下駐車場」へ駐車ください。

2. 「公園地下駐車場」の北1番出口から地上に上がり、遊歩道を右(西)へお進みください。

一般道路をご利用の場合

1. 谷町筋と玉造筋の交差点「天王寺駅前」を西へ進み、
天王寺公園南沿い道路より「公園地下駐車場」へ駐車ください。

2. 「公園地下駐車場」の北1番出口から地上に上がり、遊歩道を右(西)へお進みください。



大阪市立美術館 総務課
電話 06-6771-4874