<明治150年記念>特別展 オークラコレクション
2018/09/27


大実業家父子による偉大なコレクション

 九州国立博物館では、平安時代から近代までの日本美術を中心とする一流コレクション、オークラ(大倉)コレクションを紹介する展覧会を企画しました。

 明治維新による激動の時代、日本の近代化に貢献し、美術文化の保護・発展に寄与した実業家がいました。大倉喜八郎(1837〜1928)は、その最も重要な人物のひとりです。喜八郎は、さまざまな近代事業を展開した大実業家で、廃仏毀釈による寺院の荒廃、仏教美術品の散逸や海外流出を憂い、みずから日本・東洋の古美術を収集し、大正6年(1917)、わが国初の私立美術館、大倉集古館を設立しました。喜八郎の長男で、ホテル・オークラの創業者としても有名な大倉喜七郎(1882〜1963)は、その意志を継ぎ、近代日本画を中心に収集して世界へ紹介するなど、日本文化の海外発信に尽力しました。父子が精力的に収集したコレクションは、高い美術的価値と同時に、当時の社会情勢を反映した重要な歴史的意義を有しているのです。

 本展では、膨大な大倉コレクションを今日に伝え、開館100周年を迎えた大倉集古館の所蔵品から、厳選の名品を一堂に公開します。そして、これらの名品を通し、大倉喜八郎が行なった文化財保護の志、アジア諸国にわたる多様な収集、喜七郎による海外への日本文化発信といった歴史的意義を紹介します。明治維新から150年目の節目に開催される本展は、近代の幕開け以後の日本と海外の交流の歴史をとらえる絶好の機会となるでしょう。

*本展出品の所蔵者は、すべて東京・大倉集古館です。

展示会構成:

1 日本美術の王道

国宝 古今和歌集序(部分)平安時代・12世紀 展示期間10月2日〜11月4日

国宝 普賢菩薩騎象像 平安時代・12世紀 展示期間10月2日〜10月21日

国宝 随身庭騎絵巻(部分)鎌倉時代・13世紀 展示期間11月6日〜12月9日

重要文化財 鵜飼図屏風 狩野探幽筆 江戸時代・17世紀 展示期間10月2日〜11月4日

重要美術品 扇面流図屏風 宗達派 江戸時代・17世紀 展示期間11月6日〜12月9日

重要文化財 短刀 銘 則重 鎌倉時代・14世紀

重要文化財 銹絵寿老図六角皿 尾形光琳・乾山合作 江戸時代・18世紀

2 アジアに開いた眼

重要美術品 青磁三足香炉 中国・龍泉窯 南宋〜元時代・13〜14世紀

宝冠仏立像 タイ・ラタナコーシン時代・19世紀

清明上河図巻(部分)「仇英」款 中国・明時代・16世紀 展示期間10月2日〜11月4日

3 日本から世界へ  珠玉の近代絵画(ローマ日本美術展)

重要文化財 洞窟の頼朝 前田青邨筆 昭和4年(1929)展示期間10月2日〜11月4日

夜桜 横山大観筆 昭和4年(1929) 展示期間11月6日〜12月9日

蹴合 竹内栖鳳筆 昭和4年(1929) 展示期間10月2日〜11月4日

淀の水車 宇田荻邨筆 大正15年(1926) 展示期間11月6日〜12月9日

総合案内

会 期:平成30年10月2日(火)〜 12月9日(日)

休館日:毎週月曜日

ただし10月8日(月・祝)は開館。10月9日(火)は休館

開館時間:

日曜日・火曜〜木曜日 9時30分〜17時00分(入館は16時30分まで)

金曜日・土曜日【夜間開館】 9時30分〜20時00分(入館は19時30分まで)

観覧料:

一 般 1,500円(1,300円) 高大生 1,000円(800円) 小中生 600円(400円)

【夜間割引料金】一 般 1,300円 高大生 800円 小中生 400円

博物館の住所 九州国立博物館

〒818 - 0118 福岡県太宰府市石坂4 - 7 – 2

092 - 918 - 2807(代表)