特別展「高麗青磁-ヒスイのきらめき」
2018/11/04

大阪市立東洋陶磁美術館
特別展「高麗青磁-ヒスイのきらめき」

概要
本展では、東洋陶磁美術館が所蔵する高麗青磁を中心に国内所蔵の代表作も加えた約250件の作品により、高麗青磁の新たな魅力をご紹介します。
高麗青磁は高麗王朝(918-1392)の滅亡とともに姿を消し、人々にも忘れさられた、いわば「幻のやきもの」でした。高麗王朝の滅亡から約500 年の時を経た19世紀末から20世紀初頭にかけて、高麗の王陵をはじめとする墳墓や遺跡などが掘り起こされ、高麗青磁は再び世に現れました。翡翠(ヒスイ)のきらめきにも似た美しい釉色(ゆうしょく)の高麗青磁は、瞬く間に当時の人々を魅了し、その再現品もつくられるなど、一躍脚光を浴びました。
高麗王朝では仏教が国教となりましたが、同時に道教も盛んでした。一方、中国から喫茶や飲酒文化が伝えられ王室や貴族、寺院で大いに流行します。こうして祈りの場や儀礼、喫茶具や飲酒具などに用いられるものとして高麗青磁が誕生し、独自の発展を遂げました。唐、五代の越窯青磁や北宋の汝窯青磁に類するとされる透明感ある艶やかな「翡色(ひしょく)」の釉色、そしてとりわけ精緻な象嵌技法を特徴とする高麗青磁の美しさは、中国においても高い評価を受け、「天下第一」とも称されました。こうした高麗青磁には人々の祈りや思いが込められ、高麗王朝の文化の精髄が見事に具現化されています。
高麗王朝建国1100周年にあたる平成30年、本展覧会では、東洋陶磁美術館所蔵の高麗青磁を中心に、国内の代表作も加わって高麗青磁の至玉の名品約250件が一堂に会し、「祈り」と「喫茶文化」、「飲酒文化」を切り口に高麗青磁の新たな魅力を紹介します。さらに今回は、近代につくられた高麗青磁の再現品も併せて展示し、当時の人々の高麗青磁にたいする熱狂と再現への努力の様子を紹介します。
東洋陶磁美術館としては約30年ぶりに満を持して開催する高麗青磁の一大特別展となります。

主 な 出 品 作 品

重要文化財・青磁陽刻 龍波濤文 九龍浄瓶 
高麗時代・12世紀 高33.5cm 大和文華館所蔵

重要文化財・青磁陽刻 蓮唐草文 浄瓶
高麗時代・12世紀 高36.5cm 根津美術館所蔵

青磁透彫 唐草文 箱
高麗時代・12世紀 高11.8cm 東京国立博物館所蔵

開 催 要 項
会期    平成30年9月1日(土)~11月25日(日)
会場    大阪市立東洋陶磁美術館    
休館日    月曜日
開館時間  午前9時30分~午後5時 ※入館は閉館の30分前まで    
主催    大阪市立東洋陶磁美術館、NHK大阪放送局、NHKプラネット近畿、 毎日新聞社
特別協賛    韓国国立中央博物館    
特別協力    東京国立博物館
観覧料    一般1,200(1,000)円、高校生・大学生700(600)円
※ ( )内は20名以上の団体料金
※中学生以下、障がい者手帳などをお持ちの方(介護者1名を含む)、大阪市内在住の65歳以上の方は無料(証明書等提示)
※本料金で館内の展示すべてをご覧いただけます。
展示点数    約250件
同時開催    
[平常展]安宅コレクション中国陶磁、安宅コレクション・李秉昌コレクション韓国陶磁、日本陶磁、沖正一郎コレクション鼻煙壺
問い合せ    大阪市立東洋陶磁美術館
TEL.06-6223-0055  FAX.06-6223-0057