【2020.3.19 三年坂美術館・村田理如氏の美学に触れて…-第二部-】
2020/03/25
wakisyoukai


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春風の馨しい古都・京都。
私どもは『和器競売オークション2020 春(※3/29(日)-30(月)開催)』の作品の中から選りすぐりの優品を手に村田理如氏を訪ねた。

村田氏は清水三年坂美術館の館長や並河靖之有線七宝記念財団理事を勤めており、幕末・明治期を中心とする細密工芸に関して非常に造詣が深い。
訪問先は村田氏が館長を勤める三年坂美術館。
三年坂美術館は京都・清水寺にほど近い風光明媚な場所に軒を構える。

さて、村田理如氏と共に幕末・明治工芸世界を覗いてみよう。

Products

●L402『明治41年美術展覽會 正阿彌勝義獲獎  金牌(重100克)花鳥紋彫 (共箱)』D:5.4cm/G:100g
・明治41年美術展覽會・正阿彌勝義への金牌であり、明治41年は正阿彌勝義の享年でもある。
正阿彌勝義はその超絶技巧から海外へのファンが多く、その人柄から逸話も多い。

・村田氏
見た事がない珍しいものだ。

※正阿弥勝義(1832-1908)
本姓は中川、号は錚錚舎・山光堂がある。
18歳の時正阿弥家の養子となり、高彫色絵でその名が知られるようになった。

●L403『正阿彌勝義作 梅花紋純銀酒器(箱付)』H:11.2cm/G:121g
・勝義は弟子少ないので作品自体、さほど数を作っていないので人気が集中している。

※正阿弥勝義(1832-1908)
本姓は中川、号は錚錚舎・山光堂がある。
18歳の時正阿弥家の養子となり、高彫色絵でその名が知られるようになった。
●L405『海野勝珉作 四分一銀香合(共箱』    D:5.5cm/G:121g
・村田氏
勝珉作に間違いないものだ。

※海野勝珉
竹次郎、弥五郎という。
伝右衛門の子で天保十五年(一八 四四)五月に常陸国茨城郡下市で生れる。
伯父の海野美盛と萩谷勝平に九歳より師事する。
絵画を安 達梅渓に、書を武庄次郎に学ぶ。
明治四年(一八七一)に実兄をたよって江戸に出て駒込千駄木町に住む。
この頃から基平を名乗っていたが、宗珉にも勝るべき工人になろうと志し、勝珉と改める。
明治二十三年(一八九〇)に東京美術学校雇員となって加納夏雄と師弟の間柄となる。
明治二十七年(一八九四)十一月に教授に 、明治二十九(一八九六)六月に帝室技芸員となる。
晩年は芳洲と号し、正六位に叙される。
明治戊寅之暮秋於墨堤畔芳洲海野勝珉、 明治三十七年季夏帝室技芸員行年 六十一正六位海野勝珉(花押)、芳洲迂士梅野勝珉(花押)、貞月庵海野勝珉(花押)、藻梲軒海野基平(花押)と 銘する。
優美な作風で人物や鮎図の鐔と小柄を彫り、金具類、置物、花瓶などを製作する。
大正四年(一九一五)十月六日に七十三歳 で没。
豊島区の染井墓地甲種イ六号一側ニ十五ー三十地区に葬る。 
実子に珉乗と秀珉がいて家業を継ぐ。
優エ。
東京市本所区番場町住。
<号>芳洲・藻梲軒・貞月軒・ 東華斎・旭登
●L406『海野勝珉刻 花鳥山水彫 純銀茶入(箱付)』H:11.3cm/G:278g
・全体的なフォルムもエレガントでありつつ、遊び心が素晴らしい。
美意識が高い一品と言える。

・村田氏
鍛造で器を作っている。
非常に珍しいもので、銀の板を絞り上げており継目がない上等のものだ。
打ち出しは名工・初代玉泉堂。
勝珉の作品自体、銀は少ない。
燕の赤銅は平象嵌で彫り込んである。
彫り目も良く、良い銘。
勝珉らしい作品。

※海野勝珉
竹次郎、弥五郎という。
伝右衛門の子で天保十五年(一八 四四)五月に常陸国茨城郡下市で生れる。
伯父の海野美盛と萩谷勝平に九歳より師事する。
絵画を安 達梅渓に、書を武庄次郎に学ぶ。
明治四年(一八七一)に実兄をたよって江戸に出て駒込千駄木町に住む。
この頃から基平を名乗っていたが、宗珉にも勝るべき工人になろうと志し、勝珉と改める。
明治二十三年(一八九〇)に東京美術学校雇員となって加納夏雄と師弟の間柄となる。
明治二十七年(一八九四)十一月に教授に 、明治二十九(一八九六)六月に帝室技芸員となる。
晩年は芳洲と号し、正六位に叙される。
明治戊寅之暮秋於墨堤畔芳洲海野勝珉、 明治三十七年季夏帝室技芸員行年 六十一正六位海野勝珉(花押)、芳洲迂士梅野勝珉(花押)、貞月庵海野勝珉(花押)、藻梲軒海野基平(花押)と 銘する。
優美な作風で人物や鮎図の鐔と小柄を彫り、金具類、置物、花瓶などを製作する。
大正四年(一九一五)十月六日に七十三歳 で没。
豊島区の染井墓地甲種イ六号一側ニ十五ー三十地区に葬る。 
実子に珉乗と秀珉がいて家業を継ぐ。
優エ。
東京市本所区番場町住。
<号>芳洲・藻梲軒・貞月軒・ 東華斎・旭登

 
いかがだっただろうか?
次回は最終回・第三弾。
どうぞお楽しみに。
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