【清水三年坂美術館·村田理如氏の美学に触れて2020夏-第一段】
2020/07/16
和器競売オークション2020夏-村田理如氏の美学に触れて…-第一部- (copy 01) - wakisyoukai
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梅雨の滔々とした時間が流れる午後、私どもは『和器競売オークション2020 夏 大阪(※7/27(月)-28(火)開催)』の作品の中から厳選した優品を手に村田理如氏を訪ねた。

村田氏は清水三年坂美術館の館長や並河靖之有線七宝記念財団理事を勤めており、幕末・明治期を中心とする細密工芸に関して非常に造詣が深い。
訪問先は村田氏が館長を勤める三年坂美術館。
三年坂美術館は京都・清水寺にほど近い風光明媚な場所に軒を構える。

背景となった文化を理解する事。
作家同士の関係性の面白さ。
施された技巧をしっかりと観察する事。

村田氏と談話をしていると、何ものにも代えがたい心に残る豊かな時間こそが、美術そのものだと教わる事ができる。
千年の都・京都に息づく歴史を感じつつ、村田氏の美意識に触れる貴重な時間を皆様と共有したい。

なお、今回の村田氏への貴重なインタビューは三回に分けて詳しくお届けする。
今回は第一弾だ。


【華麗なる顕彰制度・帝室技芸員】

<はじめに>
 
世界中の国家で、王室の名残として近年でも古き良き顕彰制度が残っています。
イギリスでは勲章以外にも、女王やその夫、息子たちが認定する王族御用達(ROYAL WARRANT)と言った顕彰制度も現存しています。
王室より認定される為には厳正な審査、第三者委員会による調査など、多くの人々の承認が必要です。

王室から認定される事は、一国家としてその価値を認める事であり、王室の権威の発信でもあります。

現在、日本の皇室では皇室御用達の認定は公式にしていません。
顕彰制度の名残である勲章授与も整備されています。
これからお話しさせていただく帝室技芸員を敢えて現在に当て嵌めるなら、人間国宝(重要無形文化財)になりますが、それは文部科学大臣が指定するものであって、皇室との距離は随分と遠い存在です。

一国家の王室や王族の一員と繋がりを持つ事は、現在でも非常に難しい事です。
150年前の人々にとっては、天と地ほどの差があったと容易に想像が付きます。

和器商会:では実際、帝室技芸員とはどのようなものだったのでしょうか?

村田氏:当時、日本人にはとてもじゃないが買えなかった程の金額です。

和器商会:高額品ですね!

村田氏:加納夏雄の鍔で5千万から1億円ほどの価値に相当します。小さな懐中時計で五千万ほどです。
        材料費は高いですし、仮に日本人で購入できたとしても財閥や明治天皇など限られたメンバーだけでした。
    非常に価値があり、こうして和器競売オークションでまとまって取り扱う事はコレクターとしても非常にチャンスだと感じています。

和器商会:ありがとうございます!それでは一緒に作品を見ていただきたいです。
・L338 海野勝珉·鈴木長吉合作筑前松原之図銀基四分一象嵌花瓶 桂光春鑑 H*46/Φ*30/W6710g 二重共箱
→純銀に赤銅象嵌、四分一を施されている。
黄色の変化も楽しい逸品だ。
良いものである。

海野勝珉(1844-1915)
・『東京美術学校(※現·東京藝術大学)』助教授(師從加納夏雄)
・被授予勲六等瑞宝勛章
・獲従四位勲四等獎
・他、本圖錄中刊載作品『海野勝珉彫刻 芦蟹之図銀製湯冷』『海野勝珉・美盛 合作純銀彫刻湯沸』『海野勝珉等五名家造松五題銀茶托』
鈴木長吉(1848-1919)
在國際上聲望極高,作品收藏於蘇格蘭国立美術館/ 維多利亞&阿爾伯特博物館/喬治·沃爾特斯坦德·史密斯美術館蔵/波士頓美術館等。是明治工芸界的重量級人物。晩年少有記載,是罕世之名家。
・他、本圖錄中刊載作品 『鈴木長吉造仿古銅大花瓶(一対/台付)』

・L074 寿風堂岩間信随作刀装金工具 H*45/W*6.3/L*6/365g 袋付

→刀剣に関しては作家名ではなく作品そのもので見るのが良い。花押がないのは珍しい逸品だ。
岩間信随(1789 - 1842)豪快な高肉彫りに新境地をひらき,岩間派の金工師。多くの門人を輩出した 。


・L313 銀胎七宝瓢箪形芝山花瓶一対 H*19.5/Φ*10/W348g;370g 木箱

→高級品として知られる芝山蒔絵の良いものである。
銀と七宝、貝や象嵌、彫刻も非常に丁寧である。
技術を感じる逸品に間違いない。
本作は一流の芝山蒔絵である。
銘があるなしよりも出来次第で値段が変わって来る。
しっかりと丁寧に鑑賞したい。

・L084 後藤一乗作雲龍彫鍔 

H*5/W*7/L*7.5/155g 木箱

・L084 後藤一乗作雲龍彫鍔 H*5/W*7/L*7.5/155g 木箱

→雲や霞のデザインなどが独創性がある。一乗らしいオリジナリティのある素晴らしいディティールを見る事が出来る。
本物に間違いなく、非常に良いもの。
村田氏のお墨付きだ。
正阿弥勝義にもこちらと同画題の作品があり、実は一乗の兄が正阿弥勝義に弟子入りしており、一乗と正阿弥勝義の関係は長く、図案など刺激しあっている。
当時の作家らの交流関係を見て取れるのも本作のポイントである。

表面『安静七申年 立春 東府榮南 桜川透作之』內側『後藤法橋 時年七十翁 一乗(花押)』

花押参考出自『金工辞典』若山泡沫著昭和45年発行

我々も今一度勉強させていただく
・L078 長谷川一清銀雉置物 H*33/W*39/L*18/雉W838g 共箱
→七宝なども入って豪華な出来栄えだ。

長谷川一生(玉東斎):明治・大正時代,活躍于東京・浅草地區。
曾參展芝加哥哥倫布博覧会(1893年)、巴黎万国博覧会(1900年)、列日博覧会(1905年)等。
作品收藏于京都三年坂美術館、英國The Nasser D.Khalili collection等。
銀地素材上施以金・銀・赤銅・四分一銀・素銅 · 肉彫 · 七宝象嵌等,手法多樣,技藝卓絕。
本作品為京都国立近代美術館平成30年(2018年)度特別予算購入品,価格32,400,000日円。
并出展過2017年三重県立美術館『再発見!日本立体展』。

・L343 正阿弥勝義作梅花象嵌香盒 

H*1.8/W*5.3/73g 木箱

→正阿弥勝義独特の象嵌であり、間違いない。
内側に松竹梅の象嵌を施して完成となる途中の作品(未完)だが、作品自体に隙はなく、造形は確かなものだ。

参照資料 雑誌『骨董緑青vol32 驚艷世界的幕末明治金工』

いかがだったであろうか?
村田氏を囲む輪は自然と笑顔になり、芸術談義の話は弾む…─

次回、第二弾を乞うご期待!

【和器競売2020夏季拍賣會 大阪】

【会場】

千里阪急酒店 2F 樹林の間 

〒560-0082 

大阪府豊中市新千里東町2丁目1

電話: 06-6872-2211

【預展】

7/27   13:00-20:00

7/28   10:00-14:00

【拍賣會】

7/28   14:00-19:00(預計)

※具體時間如有變動,將隨時在KEIBAY官網發佈,請予以確認!

(https://www.keibay.com/)

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